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明けました地霊殿

まさかの初夢がさとりだったので、勢いに任せて書いた。
創想話無印作品集74『さとりさん』の続編の位置付けになってはいますが、別に単体でも問題ないです。
スピリタス?
飲んだことないです。


 明けましておめでとうございます。
 新年ですが、さして地霊殿に変わったことはありませんでした。
 え? 
 年末?
 ペットの毛を掃除する作業に追われていましたとも、ええ。
 ああ、貴方はまったり遊んでいたと。
 そうですか。
 では、お年玉がビー玉になるトラウマをどうぞ。
 そういう季節ですし。





 旧都から、すごい酒気を感じます。
 鬼どもが。
 おかげで、里帰りしてるお燐とお空は二日酔いだ。
 飲んでもいないのに。
 旧都を横切って帰ってきただけ、らしい。
 あくまで、本人曰く。
 
「まったく、お燐とお空は弱いなぁ」
 
 けらけら笑いながら、酒をあおる我が妹。
 見慣れないけど、何飲んでるのかしら。

「山の上の巫女から奪ってきた!」

 不穏なこと言わないの。
 ま、空を誘拐したからもっと取ってきてもいいわよ。
 むしろ潰しても構わないわ。
 で、何を飲んでるの?

「こっちがソルティードックでー、こっちがスピリタス」

 その他、様々な壜が並ぶ。
 ポン酒と違って、色々なデザインがあってそそられるモノがある。
 空き瓶頂戴ね?

「飲んだらねー」

 これだけの量、飲みきるには相当かかるわ。
 私も、少し相伴に預かってみましょう。

「じゃあ、スピリタスね」

 ありがとう。
 ショットグラスとかいう、小ぶりの硝子容器に入れてもらった。
 さて、味の……ほ……。
 なにこれ。
 匂いだけでくらっくらするわよ?!

「えー? おいしいのに」

 美味しそうに飲むこいし。
 これ、妖怪が溶解してしまうわよ……。
 …………。
 聞かなかったことにして、お願い。

「何か、お姉ちゃんが不穏なことを考えた気がするんだけど」

 気のせいよ。
 まさか、見たことがない壜全部がこうなんじゃないでしょうね……。
 酒霊殿になっちゃうわよ。
 鬼の巣窟とか、勘弁だからね?
 




「うにゅあああ……」

 空、なんとか生還。
 しかし、ここもまた地獄。
 さっきのスピリタスの匂い、まだ残ってるわね。
 はい、お水。

「重水?」

 違います。
 そもそも、何よそれ。
 おもみず?

「おくうーあーそーぼー」
「こいし様、今頭痛がひどいんですが」
「世界は核の炎に包まれたごっこ」
「やります!」

 やめなさい。
 せめて、外でやりなさい。
 私は、責任を取らないから。
 
「えーお姉ちゃんネグレクトー」

 山の上の神社なら、巫女が好んでやりそうだからそっちを頼りなさい。
 灼熱地獄が熱を持ったのに、これ以上火種持ってこないの。
 こいしも、私と同じ程度の管理権限持ってるんだからね。
 そもそも、貴女育児放棄されるような年でもないでしょうに。

「じゃあ、アレを準備して……」
「これは、ああして……」

 聞いてない。
 こいしとお空。
 この二人、全く思考が読めないのだ。
 何の計画を練っているのかは定かじゃないけど、間違いなく今は考え事をしている。
 こいしは、相性か何らかの理由で仕方ないとして、お空の思考は意味不明なのだ。
 山のあんちくしょうが埋め込んだ、八咫烏のせいかしら。
 お空の思考に被せるようにして、よくわからない思考が見える。
 これはもう、暗号ね。
 まさか……お空は、これをわかっているのかしら。
 だとしたら、もう私にはお空の心を読むことはできないわ。
 さようなら、空の心。
 こんにちは、よくわからない計算式。
 狐のコンピューターをください。

「あ、今度お姉ちゃんに会わせたい子がいるの」

 せんべい詰まった。
 痛い痛い詰まる詰まるげっほっげほ。
 どどどどどどどどいうことなのこいし?!

「どういうこともそういうことも、連れてくるだけだよ?」

 おおおおおおお姉ちゃんそういうの許さないわよ!
 
「お空ー外いこー」
「はーい」

 あ!
 お空も、まだ三が日過ぎてないから行かなくていいのよ!
 ……行ってしまった。
 本当に、地上を焼き尽くす気じゃないでしょうね……。
 地底は、無事だろうけど。
 あとで閻魔に怒られるの、私なんだけど……。
 お燐まで上に行ったら、どうやって怨霊の管理をしましょうか。
 今のところ、猫属のペットたちに任せてるけど。
 人化できない子も多いから、死体運びは大変そうだし。
 どうしましょう。





「「ただいまー」」

 昼食の時間になったら、二人が戻ってきた。
 多少焦げてるけど、怪我とかはなさそうで安心した。

「お姉ちゃんおみやげー」

 こいしの手には、餡子や黄粉をまぶしたお餅。
 包み布の色からして、紅白巫女が持たせてくれたらしい。
 それも、結構な量。
 
「貴女たち、山に行ったんじゃなかったの?」
「いざ地上に行ったら、見事なまでに大雪」
「寒くて帰ってきました」
 
 なるほど。
 雪景色なんて、何年見てないかしら。
 それはともかく、こんなにもらったならお返しをしないと。
 死霊饅頭なんてどうかしら?

「お姉ちゃんお姉ちゃん、あっち人間」

 あら、うっかり。
 でも、おいしいわよ?

「トラウマになると思うよ」

 残念。
 じゃあ、クッキーでも焼きましょうか。

「クッキー食べるー」

 貴女たち用じゃないわよ……。
 
「またたびっ!」

 お燐起床。
 いきなり、何喋ってるの。
 読心。
 ……この子、欲望がはっきりしすぎて頭痛がするのよね。
 寝起きとかだと、特に。
 意識が覚醒すれば、それも収まるのだけれど。
 
「クッキー!」
「クッキー!」

 はいはい。
 こっちはこっちで、子どもかっていうくらいに眼を輝かせている。
 ……一応、貴女たちも旧い妖怪よね?
 じゃ、早速つくりましょ。

「よーう地霊殿の! 呑ってるかーい!」

 うわぁ。
 酒気の塊が来ました。
 速やかに帰ってください。
 静かに年始を過ごしたいのです。

「そんな連れないこと言うなよう。呑もうぜ飲もうぜー」
「飲む飲むー」

 すっかり出来上がっている。
 こいしも乗らないの。
 
「めでたい時に、そんなこと言っちゃダメだよお姉ちゃん」
「お。妹のほうはよくわかってるな! 飲もう!」

 星熊さんに酒を注がれ、注ぎ返すこいし。
 スピリタス。
 能力を使ったのか、すり返られたことに気づいていない。
 互いにいい笑顔で、ぐいっと。
 
「あーおいしい」

 こいしは、いい笑顔だ。
 星熊さんは……。

「……」

 す、座ったまま落ちた!
 鬼が、酒に飲まれた?!
 すでに、相当飲んでいたとはいえ酒に負ける鬼は初めて見た。
 いや、あれは眠ってしまっただけか……。
 ねえ、こいし。

「何?」

 そのお酒、度数いくつあるの?

「えーと、九十六」

 鈍角……。
 せいぜい、直角の半分だと思ってた。
 私も、まだまだ見立てが甘いわね。
 とりあえず、布団を被せておいた。
 何か、真っ白に燃え尽きたように見えるけど気のせいね。

「さとり様ー、外に潰れた鬼がくだまいてますよー」

 ふっ飛ばしちゃっていいわよ。
 特別に許可します。

「はーい」

 力づくの時は、お空は本当に役に立つ。
 洞窟が倒壊しない程度に、お願いしたいところ。
 
「お姉ちゃん、クッキー作るなら手伝うよ」

 あら、珍しい。
 じゃあお願いしようかしら。
 姉妹で料理というのも、何百年ぶりだろう。
 
「じゃあ友達からもらった、このわからないものを」

 やめてこいし。
 
「えい」

 ……何この黒い物質。
 正体不明。
 食べ物で遊んじゃだめって言ってるでしょう。
 振り返ればそこには、

 誰もいない。
 ……。
 …………。
 逃げたー!
 こらー!





 年明け早々、妹に鬼にと振り回される私です。
 どうやら、今年も騒がしくなりそうです。
 今年も、地霊殿をよしなにお願いいたします。

 古明地さとり

2010.01.03 | | Comments(0) | Trackback(0) | SS

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